ホームページ(ウェブサイト)を自社で制作して運用しているものの、検索エンジンの順位がなかなか上がらず、SEOの面で苦戦していると悩んでいる方に向けて、その原因と解決策を詳しくお話ししていきます。
近年は、専門的な知識がなくてもページを作成できるツールが普及し、自社でホームページ(ウェブサイト)を立ち上げて、その後の運用までをすべて自分たちで行おうと取り組む企業がたくさんいらっしゃいます。しかし、いざシステムを導入してきれいなページを公開してみても、検索結果の圏外から抜け出せなかったり、特定のキーワードで上位表示されなかったりというSEOの壁にぶつかってしまうケースが後を絶ちません。

ホームページの立ち上げ自体は、用意されたテンプレートなどを活用すれば、比較的スムーズに進むかもしれません。しかし、実際に事業に関するブログやコラムなどの記事を書き始めると、検索エンジンからなかなか評価されず、結果的に検索流入が全く増えないという問題がよく発生します。
その原因は、表面的なデザインの美しさやシステムの便利さにあるのではなく、記事の内容や、目に見えないSEO(検索エンジン最適化)の構造的な設定に対する誤解に潜んでいることがほとんどです。検索エンジンは、人間が見てきれいだと感じるかどうかではなく、プログラムが読み取りやすいかどうか、そして検索するユーザーにとって有益な情報かどうかを基準に評価を下しています。
今回は、ホームページを自社で運用する際に陥りやすいSEOの罠や、記事配信で気をつけたいこと、そしてどうしても不足しがちな客観的なデータの活用について、普段の運用業務やサイト設計を行っている立場から、丁寧に解説していきます。
ホームページ内製化でSEOの壁となる最大の原因は「コンテンツ」
自社でホームページ(ウェブサイト)の運用をスタートしたとき、最初に直面する大きな壁がコンテンツの作り方と扱い方です。ホームページは、ただインターネット上に公開しただけで検索エンジンが自動的に高く評価してくれるわけではありません。検索エンジンを通して特定のキーワードで上位に表示されるためには、検索する人の目的に合った良質な中身が必要になります。しかし、このコンテンツの作り方や情報の届け方にこそ、自社運用における一番の落とし穴が隠れています。
更新を前提としない静的なページにおける影響
会社概要やお店の場所、代表者の挨拶、基本的なサービス内容だけを掲載している、いわゆる「名刺代わりのようなホームページ」であれば、内製化してもそれほど大きなトラブルは起きません。
こうした更新をあまり行わない静的なページの場合、検索エンジンは一度サイトを正しくクロール(巡回)して認識してくれれば、基本的な情報としてインデックス(データベースへの登録)をしてくれます。企業名やお店の名前など、特定の固有名詞で検索されたときにちゃんと表示されれば十分というケースも多く、その場合はそこまで大がかりなSEO対策を必要としないこともあります。
そのため、最低限のHTMLの構造やデザインが整っていれば、大きなマイナスになることは少ないと言えます。
ただし、これはあくまで「すでにあなたの会社やお店の名前を知っている人」に向けた情報提供に過ぎません。これから新しい層へアプローチし、事業をさらに広げるためにホームページ(ウェブサイト)を活用したいと考えた場合、変化のないページだけでは検索流入の増加は見込めません。検索エンジンは常に新しくて、見る人にとって専門性の高い情報を探しているため、ずっと更新が止まっているサイトを高く評価することはあまりないと言えます。
情報発信を開始した途端に上がるSEOの難易度
事業に関連するブログやコラム、お客様の事例紹介などの情報発信を自社で始めた途端、SEOの難易度は急激に跳ね上がります。
ただ単に思いついた文章を書いて公開すれば検索順位が上がるというわけではなく、検索する人が何を知りたいのかという意図をしっかり満たしつつ、検索エンジンにも「この記事はこういうテーマについて詳しく書かれていますよ」とわかりやすい構造で作る必要があるからです。
自社運用でよく見かける失敗は、書き手が「自分たちの伝えたいこと」だけを一方的に書いてしまうことです。社内の人にとってはすごく大切な情報であっても、検索するユーザーがその情報を求めていなければ、検索結果の上位に表示されることはありません。検索エンジンはユーザーの利便性を最優先しているため、ユーザーの検索意図とずれたコンテンツは評価の対象外となってしまいます。
また、記事を増やせば増やすほど、サイトの中にある情報をきれいに整理していく必要が出てきます。どのページがどんなテーマを扱っているのか、検索エンジンに正しく伝えるために、関連する記事同士をつなぐ内部リンクを構築したり、カテゴリーをわかりやすく分類したりと、サイト全体の構造を最適化する技術が求められます。
こうした専門的な知識を持たずに、ただ闇雲に日記のような記事を量産してしまうと、サイト内のテーマが分散してしまい、かえってホームページ(ウェブサイト)全体のSEO評価を下げてしまうことにもつながります。
システム(CMS)の導入だけでSEO対策が完了するという誤解
ワードプレスなどのCMS(コンテンツを管理するシステム)を導入すれば、簡単にSEO対策が完了するという誤解も広く浸透しています。たしかにシステムを使えば、専門的なプログラムの知識がなくてもページを作ったり更新したりできるので、とても便利です。SEOに有利と言われる追加機能やプラグインなどもたくさん用意されています。
しかし、システムはあくまで「情報を入れるための箱」を作るものに過ぎません。立派な箱を用意してSEO設定のプラグインを入れたからといって、中身が空っぽだったり、ユーザーが欲しくないものばかりが入っていたりすれば、検索エンジンは評価してくれません。
その箱の中に、どれだけ質の高いコンテンツを入れるか、どのようなキーワードを狙って記事の構成を作るかという中身の部分が伴っていなければ、検索順位が上がることはありません。箱を用意しただけで満足してしまい、中身の質をおろそかにしてしまうと、SEOの効果を感じられないまま貴重な時間が過ぎてしまいます。
見落としがちなテクニカルSEO設定と目に見えない落とし穴
コンテンツの中身と同じくらい気をつけたいのが、目に見えない部分のテクニカルなSEO設定です。より専門的には、検索エンジンがサイトの裏側のコードをどう読み取っているかを意識することが、検索順位を上げる上でとても重要です。この設定が抜け落ちていると、どれだけ良い記事を書いても検索エンジンに正しく伝わらなくなってしまいます。
検索エンジンが理解しにくいサイト構造になっていませんか
ホームページ(ウェブサイト)は、人間が見てきれいなレイアウトであると同時に、検索エンジンのロボット(クローラー)が見てもわかりやすい構造になっている必要があります。
たとえば、見出しの順番がバラバラだったり、大切なキーワードが文章の中に全く含まれていなかったりすると、検索エンジンは「この記事が何について書かれているか」を正しく判断できません。見出しタグ(h1やh2など)をデザインの装飾目的で使ってしまうケースもよく見かけますが、これはSEOの観点からはマイナスに働きます。その結果、せっかく素晴らしい内容を書いていても、検索結果にうまく反映されず、評価されない状態が続いてしまいます。
タイトルタグやメタディスクリプションの最適化が抜けているかもしれません
記事のタイトル(タイトルタグ)や、検索結果のタイトル下に表示される説明文(メタディスクリプション)は、検索エンジンがページの内容を把握するための重要な指標であり、同時にユーザーが検索結果を見たときに、その記事をクリックするかどうかを決める大切な要素です。
自社運用の場合、とりあえず記事の本文を書くことに一生懸命になりすぎて、このタイトルや説明文の設定を忘れてしまったり、すべてのページで同じ文章を使い回してしまったりすることがよくあります。各ページの内容を正確に表し、かつ狙っているキーワードを自然に含めたタイトルをつけることは、SEOの基本として非常に重要です。ここを怠ると、検索エンジンにインデックスされても順位が上がりにくくなります。
画像の最適化やページの表示速度も重要です
記事の中に写真や図解などの画像を入れることは、ユーザーの理解を助けるためにとても効果的です。しかし、スマートフォンなどで撮影した高画質で大きなサイズの写真をそのままアップロードしてしまうと、ページの表示速度が極端に遅くなってしまうことがあります。
表示に時間がかかるページは、ユーザーに大きなストレスを与えてしまい、中身を読む前にすぐに別のサイトへ離脱されてしまう原因になります。検索エンジンも表示速度の遅いサイトの評価を下げる傾向があるため、画像を適切なサイズに圧縮したり、検索エンジンに画像の内容を文字で伝える代替テキスト(alt属性)の設定を行ったりと、細かな気配りが求められます。
クローラーが迷子にならないための導線作り
せっかく検索エンジンがサイトを訪れてくれても、次にどのページを巡回すればいいのかがわからないと、サイト全体の情報がインデックスされにくくなります。これを防ぐためには、記事の最後や途中に、関連する別の記事への自然なリンクを配置しておくことが大切です。
サイトの中をクローラーがスムーズに回遊できる構造にすることは、新しい記事を早く認識してもらうためにも、また関連するテーマの専門性が高いと評価してもらうためにも重要です。関連性の高いページ同士を内部リンクでしっかりとつなぐことで、ホームページ(ウェブサイト)全体のSEO評価を底上げしていくことができます。
コンテンツSEOにおいて気をつけたいポイントと改善策
では、ホームページを自社で運用しながらしっかりとSEOの評価を高めていくためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。日々の運用で意識したいコンテンツ作成のポイントをまとめてみます。ここを改善するだけで、検索エンジンからの見え方は大きく変わってきます。
検索ユーザーの検索意図(インテント)を満たしていますか
最も大切なのは、検索ユーザーの疑問や悩みに寄り添うことです。自社の商品やサービスを売り込みたい、事業の強みをアピールしたいという気持ちが強すぎると、どうしても宣伝色の強いカタログのような記事になってしまいます。
しかし、検索エンジンが評価するのは、ユーザーの「知りたい」「解決したい」という検索意図(インテント)に的確に答えているコンテンツです。その疑問に対して、専門家の視点からわかりやすく、かつ誠実に答えを提示してあげることが、検索順位を上げるための第一歩になります。売り込みは後回しにして、まずは検索キーワードに対する最適な答えを届けることに集中してみてください。
客観的なデータに基づいた改善を繰り返します
自社運用でどうしても不足しがちなのが、客観的なデータを元にした改善作業です。記事を書いて公開したらSEO対策が終わり、ではありません。公開した後にどれくらいの人が見てくれたのか、どんな検索キーワードで表示されているのか、実際にクリックされているのかなどを、Googleサーチコンソールなどのアクセス解析ツールを使って定期的にチェックします。
データを見ることで、「この記事は表示回数は多いけれどクリック率が低いから、タイトルを見直そう」「この記事は検索順位が上がってきているから、少し情報を追記してさらに上位を目指そう」といった具体的な改善点が見えてきます。こうした地道な振り返りと修正作業が、サイトのSEO評価を大きく育てるためには重要です。
定期的なメンテナンスと過去記事のブラッシュアップ
ホームページ(ウェブサイト)は、一度作って終わりではなく、少しずつ育てていくものです。半年や一年前に書いた記事も、そのまま放置するのではなく、最新の情報に書き直したり、よりわかりやすい表現に修正したりすることで、検索エンジンからの評価を再び高めることができます。
情報が古くなっていないか、リンク切れが起きていないかなど、定期的にサイト全体を見直すメンテナンスの時間を設けることをおすすめします。過去の財産である既存の記事を磨き直す(リライトする)ことで、新しくゼロから記事を書く以上のSEO効果を生むこともよくあります。
より専門的には、外部の視点を取り入れることも有効です
すべてを自社でまかなおうとすると、どうしても社内の常識や思い込みにとらわれてしまい、検索ユーザーの本当のニーズからズレてしまうことがあります。また、最新のSEOのトレンドを常に追いかけ続けるのも非常に労力がかかり、事業の負担になってしまうかもしれません。
社内のリソースだけで抱え込まないための工夫
日々の本来の事業と並行して、ホームページ(ウェブサイト)の運用や高度なSEO対策を行うのは、想像以上に大変な作業です。記事の執筆や効果測定に割く時間がどうしても取れず、次第に更新が止まってしまったり、間違った方向性のまま運用を続けてしまったりするケースも少なくありません。
無理のない範囲で運用を長く続けるためには、社内で得意な部分とそうでない部分を整理して、必要に応じて外部の力に頼ることも一つの賢い方法です。第三者の客観的な視点やより専門的なSEOの知見が入ることで、自分たちでは当たり前すぎて気づけなかった事業の本当の魅力や、検索エンジンに高く評価されるための新しい切り口が見つかるかもしれません。
事業の成長に合わせたホームページ(ウェブサイト)の育て方
ホームページ(ウェブサイト)は、事業の成長や変化に合わせて、その形やSEOの戦略を変えていくべきものです。最初は名刺代わりの小さなサイトからスタートしても、運用を続ける中で少しずつ質の高いコンテンツを充実させ、検索エンジンから信頼される強力な媒体へと育てていきます。
自社運用の最大の強みは、現場のリアルな声や最新の情報をスピーディーに発信できることです。その強みを存分に活かしながら、SEOの基本設定やコンテンツ作成のルールをしっかり押さえてコツコツと運用を続けていくことで、ホームページは必ず事業を根底から支える頼もしい資産へと成長してくれます。
焦らず、一歩ずつ、検索エンジンとユーザーの両方にとって価値のあるサイト作りを続けていってくださいね。